ジビエ料理のレシピ紹介

エゾ鹿の角煮~北海道からの贈り物~

★第5回ジビエ料理コンテスト 農林水産省農村振興局長賞受賞★
下坪 晏夕 様(専門学校生・東京都立川市)

レシピのポイント・開発者のコメント
レシピ考案の上で、大きく「レーズンの活用」「バラ肉の活用」「笹の葉、実山椒の活用」の3点で工夫しました。レーズンの甘味と風味で食べやすさを出しています。バラ肉を使う事でパサつきを抑制。鹿は笹の葉、実山椒を食べるため相性がいいと考えました。笹の葉は一緒に蒸すことで香りを映し、料理に起伏を持たせるためアクセントとして菊菜と実山椒の炊きものを加えました。また、脂身を使用しているため、食欲増進効果も期待して実山椒を使用しています。

栄養成分を引き出すために
●レーズンによるミネラルの増強
●鹿肉に不足しがちな食物繊維を菊菜とゆり根で補充

(一部抜粋の上、加筆修正)

材料・分量(4人分)

材料 分量
エゾ鹿バラ肉 240g
生姜 10g
菊菜 40g
ゆり根 200g
▼角煮の煮汁  
 鹿の下湯がきの汁 1000cc
 酒 200cc
 砂糖 60cc
 味醂 50cc
 濃口醤油 80cc
 たまり醤油 12cc
 レーズン 40g
▼菊菜の煮汁  
 一番だし 200cc
 味醂 50cc
 濃口醤油 40cc
 薄口醤油 15cc
 実山椒 2g
▼ゆり根餡  
 昆布だし 200cc
 塩 10cc
 薄口しょうゆ 0.5g
 水溶きくず粉 適量
笹の葉 4枚
松葉 4本
   

作り方

〈鹿肉の下処理〉
1. 鹿バラ肉を4㎝× 3 ㎝に切り出す。
2. 1 の肉をフライパンで焼き目をつけるように焼く。
3. ざるに 2 の肉を入れ上から熱湯をかけ油抜きをする。
4. 圧力鍋に 3 の肉を入れ、蓋をつけずに沸かし、あくをよく取る。
5. あくが取れたら蓋をし、蒸気が上がってから 20分間加熱する。(120℃ 10 分の加熱)
6. 5 の鍋を冷やす。
7. 蓋を開け、下湯がきの汁と肉に分ける。

〈その他の仕込み〉
1. 角煮の煮汁を合わす。調味料の酒と味醂を沸かしてアルコールを飛ばし、そこにその他に調味料を加える。
2. 菊菜は葉むしりをし、塩湯がきをして氷水に落とす。菊菜の煮汁を合わせて沸かし、冷やす。冷めた煮汁に塩湯がきした菊菜を浸ける。
3. ゆり根は掃除をし、塩湯がきする。柔らかくなったら裏濾し、昆布だしに裏濾したゆり根と調味料を加え、味付けをする。
4. 笹の葉は水に浸しておく。

〈仕上げ〉
1. 圧力鍋にシカ肉と角煮の煮汁を入れ蓋をし、蒸気が上がってから 15 分間加熱する。
2. 1の鍋を冷やす。
3. 2の鍋が冷えたら蓋を外し、再度火にかけて煮汁を絡める。
4. 菊菜は丘上げする。
5. ゆり根餡は火にかけ、くず粉でとろみをつける。
6. 笹の葉の水気を拭き取り、器の中に敷く。笹の上に 3 の角煮、ゆり根餡、レーズンの順番で盛り付け、手前に 4 の菊菜を盛る。最後に松葉で笹の葉を止める。
7. 蒸気の上がった蒸し器で6を5分間蒸し、完成。