ジビエ料理のレシピ紹介

蝦夷鹿肉のパテ~フルーツと木の実のクネルを添えて~

★第5回ジビエ料理コンテスト 日本食糧新聞社賞受賞★
清水 響 様(専門学校生・東京都立川市)

レシピのポイント・開発者のコメント

今回鹿肉に合わせたかった食材はキウイフルーツと甜菜です。鹿肉は高タンパク質で低脂肪・鉄分・亜鉛が豊富なことが特徴的ですが、キウイフルーツにはビタミンC・クエン酸がとても含まれています。ビタミンCは鉄分の吸収を高め、クエン酸は亜鉛の吸収を高めてくれます。またキウイフルーツの水々しい果肉と酸味がとても鹿肉とマッチします。

また、北海道の蝦夷鹿被害はとても多くたくさんの農作物が荒らされています。その中でも一番被害が多いのが甜菜です。鹿肉とその被害に遭っている作物を組み合わせることにより、被害に遭っているという認知、生産者を応援したい気持ちを皿の中で一つのストーリーとし再現しました。また、鹿肉の風味を残しつつ油を補給するためにバターを練り込み旨味・コクをプラスしました。
また、今回パテにした理由は普及性です。普及性とはひき肉を使っているところにあります。ひき肉は塊肉よりも比較的調理しやすく、安価で手に入れることができます。高校生の際に蝦夷鹿肉のハンバーグをレストラン、ホテルで出させていただきましたが、美味しかったや苦手意識を持っていたが克服できたなどの声をいただけました。

鹿肉のジビエくささが苦手な方は鹿肉の割合を少なくする事によって食べることが可能です。こうした、誰もが食べたことのある家庭料理につなげることで、鹿肉が身近なものとなり、消費量が増え一般的に流通することにより作物被害軽減につながると考えています。

材料・分量(4人分)

材料 分量
蝦夷鹿ロース 400g
鳥ささみ 160
豚レバー 28g
紫玉ねぎ 70g
8g
ブランデー 40g
カトルエピス 1g
コーンスターチ 2.8g
バター 72g
ピスタチオ 12g
網脂 適量
白胡椒 適量
タイム 2枝
ローリエ 1枚
人参の皮 20g
ニンニクの皮 1g
玉ねぎの皮 13g
黒胡椒 1g
むき栗 80g
キウイ 100g
レモン汁 5滴
マスタード 40g
甜菜 160g
ジャガイモ 40g
ベビーリーフ 60g
わさび菜 20g
50g
砂糖 65g
白ワイン酢 15g
サラダ油 100g

作り方

1 ささみ肉・鹿肉の細切りと豚レバーをブランデー・タイム・ローリエ・塩・白胡椒で 30 分マリネする。

2 豚レバーは玉葱とニンニクのみじん切りと共にバターでシュエし、冷ます。

3 2 と鹿肉は肉挽き機で細かく引く。

4 3・カトルエピス・コーンスターチ・ピスタチオのみじん切りを合わせ、氷水を当てながら混ぜ合わせる。

5 テリーヌ型に網脂を敷き詰め④を入れ平に伸ばす。湯煎に当てながら 180℃のオーブンで中心温度が 75℃になるまで熱する。(約 50 分)

6 粗熱を取り重石をして冷ます。

7 野菜のむきカスを 180℃のオーブンで炭になるまで熱しミルサーで細かくする。

8 キウイ・栗の皮をむき 5mm の角切りにする。栗は軽く茹でマスタードと合わせる。キウイは半量コンポートにし煮詰めカトルエピス・生のキウイと合わせる。

9 ジャガイモと甜菜を塩茹でにしミキサーで撹拌し漉す。さらにハンドミキサーで口当たりを滑らかにし、調味する。

10 紫玉葱は一口大に切りピクルス液と共に熱する。冷ます。(熱い状態から冷ますことで玉葱全体が赤紫色になる)

11 ソースヴィネグレットを作り、水洗いし水気を切ったベビーリーフ・わさび菜と合わせる。(盛る直前)