★第6回ジビエ料理コンテスト 農林水産省農村振興局長賞受賞★
加藤 英治 様(会社員・愛知県一宮市)
レシピのポイント・開発者のコメント
猪ミンチ肉を焦がして赤ワインでこそげ取る事で旨味や風味が増して、更にバラ肉を使う事で特有の甘い脂を無駄なく取り込む事ができ堪能できるラグーの料理手法で作りました。
タタン型をあえて使用することで、猪肉を手軽・カジュアル的にし、尚且つ見た目の豪華さを演出させました。
地元愛知県での銀杏やイチジクをセミドライに加工した食材を使用し地元活性に貢献出来ないか考えました。
イチジクに含まれるたんぱく質分解酵素のフィシンが猪肉と一緒に食べる事で、猪肉に豊富に含まれる良質なたんぱく質の分解を進め消化を助ける働きがあり効率よく体内に取り込める事が期待できます。
今の社会において、ストレスによるイライラ感や抵抗力などを食事で貢献出来る料理を目指して、シイタケに含まれる「エリダリニン」でメタボリックシンドロームや生活習慣病の予防などの効果が期待でき、ベーターグルカンが豊富でウイルスに対する抵抗力を引き上げる効果が見込まれ、必要な栄養を摂取することが期待できます。
また、イライラ感を軽減するカルシウムが豊富なゴーダチーズや銀杏のビタミンB1など使用し、ラベンダージュレを添える事で更にリラックス効果が期待できます。
材料 | 分量 |
《ラグー》 | |
玉葱 | 45g |
セロリ | 45g |
オリーブオイル | 45g |
猪(バラ肉)※極荒ミンチ | 500g |
【ソフリット】 | 30g |
人参 | 10g |
セロリ | 20g |
玉葱 | 20g |
サラダオイル | 10g |
赤ワイン | 250g |
フェンネルシード(ホール) | 5g |
ダイストマト水煮(缶) | 40g |
水 | 350g |
砂糖 | 3g |
塩 | 適量 |
黒胡椒 | 適量 |
プチドリップ | 適量 |
《ファルス・トッピング》 | |
厚肉シイタケ | 1枚 |
アワビ茸 | 2枚 |
エシャロット | 15g |
オリーブオイル | 15g |
白ワイン | 20g |
銀杏 | 10粒 |
ゴーダチーズ | 20g |
セミドライイチジク(大粒) | 2個 |
シュレッドチーズ | 30g |
パルミジャーノ・レッジャーノ(パウダー) | 20g |
《サイド》 | |
シコレ | 15g |
レッドソレル | 8本 |
レッドアマランサス | 8本 |
ナスタチウム | 8枚 |
EXVオリーブオイル | 40g |
《ラベンダージュレ》 | |
ビネガー(白) | 30g |
ドライラベンダー | 1.5g |
ペクチンパウダー | 20g |
アップルジュース ※クリアータイプ | 300g |
カソナード | 75g |
クエン酸 | 5g |
ドライラベンダー | 4g |
《パータ・フォンセ》※22㎝タルト型 | |
A 薄力粉 | 200g |
砂糖 | 5g |
塩 | 3g |
バター | 100g |
水 | 75g |
ドリュール液 | 適量 |
《ソフリット》
人参・セロリ・玉ねぎをアッシェして、サラダオイルでソテーして野菜の甘味を引き出しておく。
《ラグー》
①玉葱・セロリをペイザンヌにカットし、オリーブオイルで弱火でソテーする。
②猪ミンチを加え、塩・黒胡椒を加えて強火でソテーし、肉の色が変わったらソフリットを加え、あまり混ぜずに焦がす様にソテーしていく。
③なべ底に焦げ目がしっかり付いてきたら中火にして赤ワインを加え、なべ底の旨味をこそげ取る。
④フェンネルシードドライのアッシェをお茶パックに入れ加え、中火でたまに混ぜる程度で水分が少なくなってきたらトマトダイスと水・砂糖を加える。
⑤さらに弱火で水分が少なくなる位まで 30 ~ 40 分煮込み、ドリップを抑えるために水分にトロミが付く程度にプチドリップを加える。
※1度しっかりと焦がす様にしてそれをこそげ取る事で、猪バラ肉の旨味と甘味のある脂を出し、肉の香ばしい風味が増して美味しくなります。
※プチドリップを加える事で、パータ・フォンセに引き詰める際にドリップを抑え、更に猪肉に照りが付きますので、その後の工程が行いやすくなります。
《ファルス》
①厚肉シイタケをマセドワーズにカットして、アワビ茸は手で大きめに割いてエシャロットはアッシェする。
②オリーブオイルでエシャロットをソテーし、厚肉シイタケとアワビ茸を加えソテーして白ワインを加え水分を飛ばしておく。
《トッピング》
①銀杏をボイルして薄皮を取り 1/2 にカットする。
②ゴーダチーズはブリュノワーズにカットする。
③セミドライイチジクは、5 mm厚にスライスする。
《ラベンダージュレ》
①沸騰消毒した瓶にビネガーとドライラベンダーを入れ密封して湯煎にかけてラベンダービネガーを作る。色と香りが出たら漉して 15cc 分を取り分けておく。
②鍋にペクチンパウダーとアップルジュースを入れて良く溶かしてから火にかけ、沸騰直前まで温める。
③漉して取り分けておいたラベンダービネガー、カソナード、クエン酸を加え良く溶かしたら、お茶パックに入れたドライラベンダーを入れて 5 分程弱火で加熱する。
④香りと色が出てきたら火を止め、10 分程蒸らしてからお茶パックを取り出し、バット等に流し入れ、氷水にあて冷やし固める。
⑤固まったらフォーク等で荒くつぶして、グラスに入れておく。
《パータ・フォンセ》
① A を混ぜ合わせふるいにかけ、バターを加える。バターを粉にこする様に合わせてサブレし、ある程度まとまり、細かくザラザラになる手前まで合わせる。
②水を加え、少しずつ粉と練らない様に合わせていき一塊になったらフレゼする。
③ラップ等で包み、冷蔵庫で 20 分程冷ます。
④生地を 3mm 厚に伸ばしてタルト型に被せて余分な生地を除く。内側にアルミホイルとストーンをのせ 180℃で 25 分焼き、アルミホイルとストーンを外し 10 分焼く。
⑤ドリュールを塗って 200℃で 1 分焼き上げる。
《仕上げ》
①ラグーにファルス、カットしたゴーダチーズ、カットした銀杏6 粒を入れて混ぜ合わせ、焼き上げて粗熱を取ったパータ・フォンセに流し入れる。
②残りの銀杏(4 粒)とセミドライイチジクを乗せ、シュレットチーズとパルミジャーノ・レッジャーノを振り、180℃に 5 分程入れて表面に焼き色を付ける。
②皿に盛り付けてサラダとグラスに入れたラベンダージュレとEXV オリーブオイルを添える。
《追記》
パータ・フォンセの生地作りとラベンダービネガー・ソフリット・ラグーなど同時進行で行う事が可能な料理です。