ジビエ料理のレシピ紹介

イノシシとレンコンのコロコロ和風カレー

★第6回ジビエ料理コンテスト 株式会社日本食糧新聞社賞★
澤田 康一 様(料理人・千葉県長生郡長南町)

レシピのポイント・開発者のコメント

 メインのカレーは味噌を加えることにより、玉ねぎの甘みとともに奥行きのある一味違う和風テイストのカレーになりました。

 レシピでは、ただ「味噌」としてありますが、作る人が慣れ親しんだ種類の味噌を使用していただきたいと思います。応募時の料理には地元の味噌屋さんが作っている米味噌を使用しました。

 小さめに切ったイノシシ肉と、角切りにしたレンコンが一緒に口に入るため、自然によく噛むことになり、肉の弾力とレンコンの食感を楽しく味わえます。

 カレーのとろみ漬けには小麦粉を原料とするルーは作らず、水で溶くだけで簡単に使える米粉を使いました。

 個性的なカレーをしっかりと受け止めることができるよう、ご飯には香り、色どりとともにプチプチとした食感も楽しめるよう、黒米を玄米のまま入れました。

 盛り付けはワンプレート形式とし、器の中にサラダを盛り込むことで不足しがちな野菜を自然な形で口にすることができます。

 トッピングに使用したミニトマトは色どりと酸味を、イタリアンパセリは色どりと香りを、ミョウガは食感とともに味噌に合う香りを楽しめるため、飽きることなく食べ続けられます。また、レンコンチップスがサラダとカレーをつなぐ箸休め的な役割を果たします。

 カレーに入るレンコンは皮ごと使用することで、含まれているビタミンCとカリウムなどを余すところなく摂取することができます。イノシシ肉に豊富に含まれる鉄分の吸収を助ける働きのあるビタミンCと、血圧の上昇を抑える働きのあるカリウムを含むレンコンを使うことで、栄養満点でヘルシーなメニューに仕上げました。

 千葉県の長南町ではレンコン、コシヒカリ、黒米などを名産としていますが、イノシシによる獣害も深刻で、水田の周囲には電気柵が張り巡らされています。

 悪者扱いされているイノシシと、地域の名物であるレンコン、黒米、コシヒカリから作られた米粉、永年作り続けられている地元の味噌をおいしくまとめ上げました。

 

材料・分量(4人分)

材料 分量
《コロコロ和風カレー》  
イノシシ肉(もも肉など) 300g
味噌 70g
オリーブ油 36g(大さじ3)
玉ねぎ 160g
レンコン 160g
4g(小さじ2/3)
カレー粉 5g(小さじ1)
日本酒 100㏄
米粉 10g(小さじ1)
50㏄
《黒米ご飯》  
白米 320g
黒米(玄米) 20g
《盛り付け用サラダ類》  
レンコン(チップス用) 約5㎝分
サラダ油 適宜
少々
サニーレタス 3~4枚
ニンジン 少々
ミニトマト 2個
ミョウガ 1個
イタリアンパセリ 少々

作り方

《黒米ご飯》
①白米を研ぎ、黒米を入れ、30分以上おいてから炊く。

《盛り付け用サラダ類》
①チップス用のレンコンを皮付きのままスライサーで薄切りにし、170℃のサラダ油で泡が出なくなるまで約2分間揚げ、塩少々を振る。
②サニーレタスを食べやすい大きさに手でちぎり水にさらす。
③スライサーなどを使ってニンジンを細切りにし、水を切ったサニーレタスと合わせておく。
④ミニトマトは角切り、ミョウガは小口切りにする。

《イノシシとレンコンのコロコロ和風カレー》
①玉ねぎを7~8ミリ角の粗いみじん切り、レンコンを皮付きのまま1センチ角程度の角切りにする。
②イノシシ肉はスジなどの固い部分があれば取り除き、1~1.5センチ角程度の角切りにする。
③深めのフライパンなどにオリーブ油を入れ、粗みじん切りにした玉ねぎと角切りにしたレンコンを炒める。
④玉ねぎが透き通ってきたら塩とカレー粉を入れて混ぜ合わせる。
⑤カレー粉の香りが出てきたら日本酒を加えて火を弱め、レンコンに火が通るまで5分ほど煮込む。
⑥角切りにしたイノシシ肉と味噌をボールに入れてゴムベラなどで混ぜ合わせ、フライパンに加えたら少し火を強め、肉に火が通るまで4~5分ほどゆっくりと混ぜながら炒める。
⑦火を弱め、米粉を水で溶いて加え、とろみがつくまで混ぜ合わせる。

《盛り付け》
①皿の片側に水を切ったレタス類を盛り、黒米ご飯を中央に盛る。
②ご飯の上にカレーをかけ、その上にミニトマト、ミョウガ、イタリアンパセリを散らす。
③レタスの上にレンコンチップを飾って出来上がり