★第7回ジビエ料理コンテスト プロ部門 一般社団法人全国日本調理技能士会連合会会長賞受賞作★
杉山 浩一 様(明治記念館 懐石料亭 花がすみ)
【レシピのポイント】
今回はモモ肉を使用しましたが、どこの部位を使用しても良いように挽肉にして使用しました。
私どもが取引している肉屋では猪肉のストックに限りがあります。その時々で肉の部位のストックが違い、継続して指定の部位を揃えるのが困難です。。そのことを解消するうえで挽肉なら、すべての部位を使用できると思い作成しています。
一般的に、まだまだ猪肉に対して苦手意識も持つ方が多くおります。先ずは見た目で「食べてみたい」と思ってもらえるような盛り付けを意識しました。
また味付けは、独特の風味や固めの肉質が苦手な方でも抵抗なく召し上がって頂けるように、粉山椒やショウガを加え肉の独特の臭いを押さえ、豆腐などを加え柔らかくし食感も食べやすくしてあります。また一皿で何通りも味の変化が楽しめるのも特徴です。
猪肉の主成分はタンパク質と脂質ですが、野生の猪は余計な脂肪がついておらず、高タンパク、低脂肪、低カロリーでヘルシーです。 肉にはアミノ酸のカルノシンやタウリン、脂肪にはパルチミン酸、ステアリン酸、リノール酸などが多く含まれています。又、牛肉や豚肉に比べ鉄分が多く、貧血や冷え性の予防改善の効果が期待できます。ビタミンB1やB2も多く、新陳代謝を促進し、疲労回復に役立ちます。このように豊富な成分を持ち合わせている猪肉に、野菜の食物繊維や豆類の良質なタンパク質、玄米や赤米、もち麦などの炭水化物を合わせ、栄養豊富な一品にしました。
今回の料理は、茨城県で取れる野菜や穀物などの食材を多く使用しています。私の周りには、茨城県で農業を営む仲間が多くおります。その仲間から鳥獣被害の話しもよく聞いています。害獣を駆除しても処分に困っている話しも聞いています。
そんな厄介な害獣を、土地の食材と合わせて。美味しく、栄養豊富なジビエ料理を提案し、少しでも鳥獣被害の解決に役立てたらと思っております。
◆つくね
猪モモのひき肉 | 500g |
豆腐(軽く絞ったもの) | 150g |
全卵(溶いたもの) | 1個分 |
タマネギ(炒めたもの) | 85g |
塩 | 2g |
醤油 | 大さじ1 |
砂糖 | 5g |
ショウガ(みじん切り) | 7g |
粉山椒 | 小さじ1/4 |
◆トッピング
【1】栗 | 2個 |
【2】イチジク | 1個 |
生黒コショウ | 8~10粒 |
【3】紫イモ | 50g |
牛乳、砂糖、薄口醤油 | 各少々 |
【4】豆と穀物10種ミックス(キューピー) | 20g |
【5】シイタケ | 2個 |
ミニトマト | 2個 |
柚子の皮 | 少々 |
日本酒、塩 | 少々 |
オリーブオイル | 少々 |
薄口醤油 | 少々 |
【6】大根おろし | 25g |
鮎の魚醤 | 適量 |
オリーブオイル | 適量 |
シシトウ | 2本 |
いくら | 少々 |
【7】アボカド | 1/4個 |
天つゆ | 180cc |
芽蓼(赤・青) | 少々 |
花穂紫蘇 | 2本 |
【8】枝豆 | 20粒 |
ザクロ | 16粒 |
◆味噌パウダー
赤味噌 | 200g |
砂糖 | 40g |
水あめ | 大さじ2 |
はじかみ | 4本 |
すだち | 2個 |
紅葉の葉 | 盛り付け用 |
◆つくね
猪のモモを挽肉にする。冷蔵庫でよく冷してから塩を加え粘りが出るまで混ぜる。砂糖、醤油、卵、炒めた玉ネギ、きざみショウガ、粉山椒を加え混ぜる。
ラップフィルムに150g取り、長さ20センチの円柱になるように整形し巻く。85℃で20分蒸し、火を入れた後、炭火又は、フライパンで表面に焼き目をつける。2.5㎝にカットする。
◆トッピング
1) 栗はスライスし水でよく晒して澱粉を抜く。160℃の油でパリッと揚げて塩をふる。
2) イチジクをカットし生黒コショウを合わせる。
3) 紫イモを蒸して裏漉す。牛乳、砂糖、薄口醤油を適量加え火にかけ練る。
4) キューピーの《10種類ミックス豆と穀物》に塩、ガーリックパウダーを適量加える。
5) シイタケを焼き台で塩焼きしながら日本酒を振りかける。焼きシイタケとミニトマトを刻み、オリーブオイル、薄口醤油、柚子の皮を合わせる。
6) 大根おろしに鮎の魚醤を加える。小口切りにした獅子唐を加えイクラを合わせる。
7) アボカドは85℃で10分蒸し、12時間天つゆに漬けてから裏漉す。赤芽、青芽、花穂を合わせる。
8)枝豆を塩ゆでし薄皮までむく。ザクロと合わせる。
◆赤味噌パウダー
赤味噌200gに砂糖20g、水あめ大さじ1を加え火にかけ練る。
クッキングシートに薄く伸ばし、70℃で12時間乾かす。フードプロセッサーで粉状にする。
ショウガは酢水で茹で甘酢に漬ける。
すだちは半分にカットする。