★第7回ジビエ料理コンテスト プロ部門 一般社団法人日本エスコフィエ協会会長賞受賞作★
井上 啓史 様(リゾートトラスト株式会社 ローズルーム名古屋)
【レシピのポイント】
豊田市足助の鹿は、自然が豊かな山々、岐阜山系からの清流、穏やかな気候で育ち、大変上質な肉質です。今回はその足助地区の川を海へ辿り、そのまわりの地域の食材を選定し、愛知県産100%の食材で鹿への感謝の思いを表現しています。
固くて使用しにくい部位を選定することは、新しい価値を創造し、ジビエを販売する方々を応援することに繋がります。今回は鹿の骨から出汁をとり、固い部位の鹿のスネを煮込む事で、大切な鹿を美味しく使い切ることを意識しています。
塩や乳製品、油、野菜、ワインの全てを地産地消することにより、地元地域の生産者の方々を応援し、県外へのアピールに貢献してまいります。
◆鹿の骨付きスネ肉の煮込み
鹿の骨付きスネ肉※個体の大きさにもよるが、1人前に1本を使用。 | 4本 |
地粉 | 10g |
バター | 20g |
菜種油 | 10g |
ワイン(ピノノワール) | 500ml |
ショウガ | 15g |
長ネギ | 80g |
トマト | 150g |
鹿のブイヨン※材料は次項 | 1.2L |
◆鹿のブイヨン
鹿の骨 | 1.5kg |
タマネギ | 100g |
ニンジン | 80g |
長ネギ | 100g |
ニンニク | 15g |
タイム | 2本 |
水 | 2L |
◆知多地粉のピーチ(手打ちパスタ)
地粉中力粉 | 360g |
地粉協力粉 | 110g |
冷水 | 210g |
自然塩 | 10g |
◆パスタソース
鹿の骨付きスネ肉の煮込み | 別記 |
原木シイタケ | 80g |
八丁味噌 | 小さじ1 |
クリームチーズ | 10g |
バター | 15g |
◆ネギと柚子のサラダ
長ネギ | 18g |
青柚子 | 少量 |
青唐辛子 | 少量 |
バージン菜種油 | 少量 |
柚子の皮 | 少量 |
自然塩 | 少量 |
◆鹿のブイヨン
① 鹿の骨をオーブンでこんがりと焼いてから鍋に入れて、水を注ぎ沸騰させる。
② 灰汁を取り除き、2~3cm角に切って炒めたタマネギ、ニンジン、長ネギとニンニク、タイムを加えて、約4時間煮出す。
③ ②を漉して冷ます。
◆鹿の骨付スネ肉の煮込み
① 鹿の骨付スネ肉に塩、地粉をふってから菜種油で下焼きする。
② 鍋にバターを入れて 千切りのショウガと長ネギ、トマトの順番で炒めて香りを出してから、赤ワイン、下焼きした鹿スネ肉を加えて、1/10まで煮詰める。
③ 鹿のブイヨンを加え 140℃のオーブンで約3時間ゆっくりと火を入れる。
◆ピーチ(手打ちパスタ)
① 地粉2種、水、塩を混ぜ合わせて練込む。
② 乾かないようにしながら、半日寝かして生地を落ち着かせる。
③ 生地を5mm厚位の棒状に細長く手で伸ばしておく。
◆原木椎茸
① 掃除してから適当な大きさに切り分け、グリルし香りを出しておく。
◆パスタソースとパスタ
① パスタを仕上げる鍋に鹿の骨付スネ肉の煮込みを入れ、軽く煮詰める。
② 焼いて香りを出した原木椎茸と、混ぜて合せておいた八丁味噌とクリームチーズを加え味を調節し、冷えたバターを加えて乳化させる。
③ 手打ちパスタを、沸騰している0.8%の塩水で約12分間茹でる。
④ ソースとパスタを混ぜ合わせ皿に盛りつける。
◆仕上げ
① 青柚子と青唐辛子、その重量の13%の塩を混ぜ合わせ柚子胡椒を作る。
※柚子の表皮の部分(白い部分は除く)と果汁を合わせた重量と、同量の青唐辛子の重さの13%の塩分。作りやすい目安の分量は、ミルサー又はロボクープが回る分量。
② 長ネギを極細く千切りし水にさらして、白髪ネギを作っておく。
③ ボールに白髪ネギ、柚子胡椒、バージン菜種油を混ぜ合わせる。
④ 皿に盛り付けたパスタと鹿スネ肉、原木椎茸の上にサラダを盛り付ける。その上に新鮮な柚子の皮を削りかけて完成。