シカやイノシシなどの野生鳥獣の流通方法は牛や豚などの家畜とは異なります。
また、寄生虫やE型肝炎ウイルスを保有している可能性がありますから、調理加工時にも衛生管理への注意が必要です。
飲食店でジビエを提供するときには、食肉処理業の許可を受けた施設から仕入れなければなりません。
「猟師直送」などと謳ったネット販売を利用することや、知り合いの猟師から直接肉を仕入れること、自分で捕獲したシカやイノシシを食肉処理業の許可を受けた施設で解体処理することなく提供することはやめましょう。
より安全なジビエを提供するために、トレーサビリティが取れているか(いつ、どこで、誰が捕獲し、どのように解体処理されたか)、金属検出機が設置されているかなど、捕獲や食肉処理に関する情報を確認しましょう。
ジビエの加工品(ハム、ソーセージやカレーなどの調理済み加工品、水煮など1次加工された商品)を使用する場合も、原料のシカ肉やイノシシ肉が食肉処理業の許可を受けた施設で処理されたものか、加工は食肉製品製造業などの営業許可を受けた施設でされたものかを確認しましょう
異臭がないか、獣毛や金属など異物の付着がないかを確認しましょう。(異物混入の対策をしている施設から仕入れることが前提です)
異常が確認された場合、仕入れた施設へ連絡しましょう。
ジビエの調理・加工に使用した調理器具は、使用するごとに83℃以上の温湯や200ppm以上の次亜鉛素酸ナトリウム、またはそれと同等の効果のある方法で殺菌をしましょう。
寄生虫の感染や腸管出血性大腸菌、E型肝炎などの食中毒のリスクがあるため、必ず加熱調理して提供してください。
生食は上記の感染リスクがあり大変危険ですから、絶対にやめましょう。
肉の中心温度が75℃に達して1分以上の加熱をすれば、感染は予防できます。
調理方法により、75℃以下で加熱する場合は、75℃1分の加熱と同等の効力を得られるよう、調理時間を長くしてください(下図参照)。参考資料:野生鳥獣肉に関するQ&A(厚生労働省)
▼この条件で加熱することで、安全性を満たし、しっとりと柔らかくロゼ色に仕上がります!