2024年12月27日
ジビエフェアが各地で開催される、ジビエファンにはうれしいシーズンとなりました。そんな中、注意していただきたいのは「加熱不十分なジビエの喫食」です。
普段からジビエ召し上がっている方はすでにご存じの事かと思いますが、今も飲食店で「鹿の刺身」「鹿のタタキ」などを提供されているケースが散見されます。そのようなテーマがニュース等で取り上げられるたび、SNSでも「ジビエの生食はNG!」といった声が上がるようになってきました。消費者の知識もアップデートされつつある今、あらためてジビエの生食リスクについてご紹介させてください。
「生食」というと真っ先に思い浮かぶお刺身はもちろんNGです。また、表面を炙っただけでは、お肉の内部に潜む食中毒リスク(細菌・ウイルス・寄生虫など)を排除できませんので、タタキもNGです。
「いちど冷凍すれば生で食べても大丈夫なんじゃないの?」という声も聞かれます。一定条件での冷凍は寄生虫を死滅させる事ができますが、低温に強いウイルス・細菌などのリスクは排除できません。一時的に冷凍した豚肉をお刺身で食べられない事と同じです。必ず、お肉の中心まで加熱したものを召し上がってください。
かたまりのお肉を安全・安心に調理するには慣れやテクニックが必要ですが、煮込み料理やスライス肉を使った炒め物なら簡単で安全に調理できます。煮込みにすれば、ジビエのうまみが溶け込んだスープごと楽しめるのでおすすめです。炒め物も、シャキシャキのお野菜と一緒にオイスターソースなどで味付けするとごはんが進みますよ!事前にヨーグルトやすりおろしリンゴなど、お肉を柔らかくする成分が入った食品に漬け込むと柔らかく仕上がりますので、ぜひお試しください。
ジビエ生食のリスクをご紹介させていただきましたが、きちんと加熱をすればこれらを回避することができます。豚肉や鶏肉などと同じように、お肉の全体の色が変わるまでしっかりと加熱してください。
日本ジビエ振興協会では、監修レシピのご紹介や、安全・安心な国産ジビエ認証取得施設のお肉が買えるECサイト集を作成しています。ぜひ、ご家庭でもジビエをお楽しみください!
【後編では、低温調理の注意点をご紹介!】
参考:厚生労働省「ジビエ(野生鳥獣の肉)の衛生管理」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuchu/01_00021.html ↑こちらに野生鳥獣肉の食中毒事例などが掲載されています。詳しく知りたい方はこちらもご覧ください。 |