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《後編》加熱不十分なジビエにご注意!【低温調理の注意点】

2024年12月27日

前編では、加熱不十分なジビエに潜むリスクについてご紹介させていただきました。

 後編は、飲食店の方はもちろん、料理好きの方もご家庭でチャレンジされる「低温調理」において注意いただきたいポイントをご紹介いたします。

「低温調理」の注意点

 急激に加熱すると固くなりやすい特徴を持つジビエ。やわらかく・しっとりと加熱するテクニックとして、「低温調理」が使われます。家庭用の低温調理器具も普及し、身近な調理方法となりつつありますが、注意していただきたいポイントがあります。

①安全でおいしい加熱条件

 厚生労働省「野生鳥獣肉の衛生管理の指針(ガイドライン)」※1では、ジビエを安全・安心に食べるための十分な加熱調理は「中心部の温度が摂氏 75 度で1分間以上又はこれと同等以上の効力を有する方法」とされています。

「同等」の条件は、「『70℃、3 分』、『69℃、4 分』、『68℃、5 分』、『67℃、8 分』、『66℃、11 分』、『65℃、15 分』が妥当」とされています(厚生労働省「野生鳥獣(ジビエ)に関するQ&A」※2)。

 そして、加熱前のお肉の温度や、お肉の大きさ・形によっても内部への熱の伝わり方は異なります。低温調理に挑戦される方は、中心温度計を使用して安全に加熱ができているかどうかチェックする事をおすすめいたします。スーパーやホームセンターのキッチン用品コーナーで購入できますよ。

▲図:75℃1分間と同等の温度と加熱時間のグラフ。温度が低くなるほど、加熱時間が長くなります。

 

②基準はお湯の温度ではなく、肉の中心温度です!

 お湯の温度を一定に保ち、湯せんで低温調理を行う家庭用調理器具があります。(1)でご紹介した加熱条件は、お肉の中心温度が基準となっています。たとえば、「肉の中心温度が65℃に達してから15分間」の加熱をする場合、65℃のお湯に肉を投入しても、肉の中心部が65℃に達するまでタイムラグがあります。やはり、中心温度計で温度を確かめるのが確実です。

加熱すれば大丈夫!安全・安心にジビエを楽しもう!

ジビエ生食のリスクをご紹介させていただきましたが、きちんと加熱をすればこれらを回避することができます。豚肉や鶏肉などと同じように、お肉の全体の色が変わるまでしっかりと加熱してください。

日本ジビエ振興協会では、監修レシピのご紹介や、安全・安心な国産ジビエ認証取得施設のお肉が買えるECサイト集を作成しています。ぜひ、ご家庭でもジビエをお楽しみください!

 

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★日本ジビエ振興協会監修レシピ

★ジビエ取扱の注意点(飲食店向けパンフレット)

【参考】

※1厚生労働省「野生鳥獣肉の衛生管理の指針(ガイドライン)」

https://www.mhlw.go.jp/content/001112824.pdf

※2厚生労働省「野生鳥獣(ジビエ)に関するQ&A」

https://www.mhlw.go.jp/content/11130500/000365098.pdf

厚生労働省「ジビエ(野生鳥獣の肉)の衛生管理」

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuchu/01_00021.html

↑こちらに野生鳥獣肉の食中毒事例などが掲載されています。詳しく知りたい方はこちらもご覧ください。