2016年08月28日
8月25日、『週刊ホテルレストラン』さま主催のシンポジウムにて、ジビエ議連会長の石破茂さま、当協議会理事長の藤木がお時間をいただき、料飲店、ホテル関係者のみなさまにジビエについて講演させていただきました。
石破さまは、「なぜ今ジビエなのか」を「豊かな山を動物たちに返してあげるため」であるとし、これに取り組むことは「生態系の一員である人間の義務ではないか」と訴え。「動物たちのために動物を食べる」というのは一見矛盾していますが、食べることで適正な個体数に保つこと、山にそのまま廃棄されて無駄にされてしまう「生命」を循環させること、廃棄残渣による山の汚染を防ぐ等、さまざまな効果が見込まれます。また、ジビエは「ジビエ」だけで終わるのではなく、これをきっかけに自然環境の問題を広く考えることにつなげていくことも大切です。石破さまはCLT議連(クロス・ラミネーテッド・ティンバー。「直交集成材」。高強度で高層建築物にも耐える)の会長も務めており、多角的に荒廃が進む日本の山野を取り戻す活動に取り組んでいらっしゃいますが、ジビエも同様に広角的に活動していく必要があるでしょう。
そして、聴講する料飲店・ホテル関係者のみなさまに向けてジビエ利用を呼びかけるとともに「ジビエは最初の印象が大切。悪い噂はすぐ広まってしまう」と、「硬い、臭い、まずい」と思われないよう扱い方についても注意喚起。そして「食の基本は驚きと感動。美味しいものはお金を出してでも買ってくれるようになる。ぜひ、そんな美味しいジビエ料理を考案して」と呼びかけました。
藤木からは、現在の日本における狩猟、有害鳥獣駆除の体制、食肉利用の現状の紹介とともに、現状では適正な処理、流通を通さない“闇肉”が多く見受けられる等の流通における課題を話し、安心安全なジビエ利用についてのポイントなども紹介しました。また、今後は外食産業で利用しやすくしていくために流通規格が必要であることも訴え、協議会で主宰している「国産ジビエ流通規格検討協議会」への参加も呼びかけました。
大勢の外食産業、宿泊業関連のみなさまに向けてお話しする機会をいただけましたこと、改めて御礼申し上げます。これを機に、ジビエを扱うお店が一層増えるとともに、安心安全なジビエの認識が広まることが期待できそうです。