2020年11月24日
11月16日、東京・千代田区にある丸ビルホールで「大丸有SDGsACT5 Closing ACT ~7か月のACTionを振り返る~」が開催され、弊社代表の藤木もパネリストとして参加し、ジビエの利用拡大を訴えました。
SDGs(エスディージーズ)とは、国連が2030年までの達成を目指し、掲げた「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals。SDGs)」のことで、大きな目標である「ゴール」が17項目、ゴールに付随する具体的な行動目標である「ターゲット」が169項目設定されています。
大丸有SDGs ACT5は、このSDGsの認知拡大、SDGs達成に向けた具体的なアクションの喚起を目的に、東京駅周辺の大手町・丸の内・有楽町のエリアで展開されたプロジェクトです。7カ月に渡り、「日経SDGsフェス」「大丸有SDGs映画祭」など大小さまざまなイベントを開催したほか、SDGsをエリア全体で実現するためのさまざまな実証実験も行いました。2030年まで継続して開催する予定で、SDGsから抽出したテーマを毎年5つずつ取り組んでいくことから「ACT5」と名付けられています(大丸有SDGs ACT5についての詳細はこちら)。
ジビエはACT1「サステナブルフード」の中で扱われており、11月5日には大手町でイベント「ジビエを食べて地域と繋がる ~美味しいからSDGsへ ~」が開催され、藤木もトークショーに参加させていただきました。サステナブルフードの枠組みでは、他にも貨客混載プロジェクト・実証実験「産地直送バスあいのり便」、社食でのフードロス削減実験など、意欲的な取り組みが行われています。
16日に開催されたクロージングアクトでは、ACT1~5の振り返りと総括を行い、来年に向けた期待を語り合いました。ACT1「サステナブルフード」では、5日のイベントにも参加した熊本県宇城市の「くまもと☆農家ハンター」の宮川将人さま、高速バスの貨客混載で信州富士見高原ファームから鹿肉を都内に運び、レストランで提供する「産地直送バスあいのり便」の泉川大さまもご登壇され、それぞれの取り組みとその成果を報告。
「産地直送バスあいのり便」のプロジェクトは、ジビエ普及のボトルネックになっている「送料」に対する大きな解決策として期待できそうです。これは、大量生産・大量消費に準じて整備された従来の流通網を、現代にアジャストさせようとする動きとも言えるでしょう。花きや少量多品種生産や有機農法の野菜等、同じ構造的な問題を抱えているジャンル、製品は多く見られます。都市部の多様化するニーズに流通がどのように答えていくのか、ジビエを通して見えてくるものがあるかもしれません。未来の新しい流通の試金石としても期待できるでしょう。
ほか、ACT2「気候変動と資源循環」、ACT3「WELL-BEING」、ACT4「ダイバーシティ」、ACT5「コミュニケーション」、それぞれでも興味深い内容が報告されています。
総括では、知的経営、イノベーションの研究で名高い米倉誠一郎さま(一橋大学名誉教授)、国連広報センターの根本かおるさま、ACT5の実施主体となった三菱地所、社長の吉田淳一さま、農林中央金庫代表理事理事長の奥和登さまが登壇されており、ACT5に対する評価の高さ、今後の期待の大きさが伺えました。
藤木は、大丸有という東京の中心地でジビエを扱ってもらえたことに、単なる消費拡大だけではなく、それが地方に跳ね返り、地方での消費拡大にもつながることが期待できると話しています。また、こうした取り組みが「人」によって支えられていることから、今回のACT5のスタッフの皆さんが、配置転換、部署異動などすることなく、来年以降も引き続き担当してほしいと呼びかけました。
ACT5は一旦終幕となりますが、引き続き継続的なアクションを実施していきます。その一環として、2021年1月には新丸ビルの「marunouchi HOUSE」でジビエフェアが開催される予定で、引き続き大丸有からジビエが発信されていきます。
今回、ACT5でのジビエに積極的に取り組んでくださった、農林中金の伊藤良介さま(左)、三菱地所、大丸有SDGs ACT5事務局長の長井頼寛さま(右)。