2021年12月15日
12月2日、第6回ジビエ料理コンテストの第2次審査を東京・世田谷の駒場学園高等学校で開催し、授賞レシピを9点、選出いたしました。結果は、12月22日開催予定のオンライン授賞式および同日15時に日本ジビエ振興協会のホームページにて公表いたします。
昨年はコロナ禍のために審査員を絞っての審査会でした。今年は、残念ながら応募者に調理していただくという本来の形はできなかったものの、ほぼ審査員の皆様ほぼ全員が揃っての実食審査を行うことができました。
審査対象となったのは1次審査を通過した20レシピ。調理は、会場となった駒場学園高等学校調理科の先生方にお願いいたしました。ちなみに協会代表理事の藤木が学んだ高校でもあります。審査員は、調理に関連する団体の皆様、有識者の方々にお願いし、審査員長には田崎真也さまをお迎えしました。
<審査員>※敬称略
田崎真也(ソムリエ)※審査員長
服部幸應(公益社団法人全国調理師養成施設協会 会長)
宇都宮久俊(一般社団法人全日本司厨士協会 会長)
片田勝紀(一般社団法人全日本調理技能士会連合会 会長)
岡安秀一(日本食料新聞社 取締役)
戸塚哲夫(駒場学園高等学校 副校長)
畑中三応子(食文化研究家)
藤木徳彦(フレンチシェフ・日本ジビエ振興協会代表理事)
今年のコンテスト一次審査通過のレシピを見ると、洋食が多く、中華・和食は少なめ。しかし、海外の家庭で増えている調理法を取り入れたものや、和洋をうまく織り交ぜたものがあるなど、非常に創意工夫に富んだレシピが揃いました。
審査は「食べやすく、なじみやすい味であるか」「家庭でも作ってもう一度食べてみたいと思う味わいか」など5項目各20点、100点満点で採点する方式としており、得点上位のレシピから受賞レシピを選出しました。
しかし、実食の後の審査では、それ以外のレシピを評価する声も多く、白熱した議論が交わされ、改めて「単純に点数を付ける」だけでは、評価しきれないジビエ料理の面白さ、難しさを伺わせる審査となりました。また、審査員からは「来年はぜひ、応募者に調理してもらい、思いを聞きながら審査したい」と、本来の審査会の形を望む声が多く挙げられました。
弊会の代表理事の藤木も審査の末席に着いており、年を追うごとにレベルが高くなっていると感想を述べています。
「今年のレシピで感じたのは、なにかの肉の代わりにジビエを使うのではなく『この料理だからジビエを使う』という明確な意思が見られたこと。イノシシならこの食べ方、鹿ならこの食べ方という強い意図を感じさせるものばかりでした。比較的スタンダードなジビエらしいレシピも多くありましたが、既存のレシピに収まらない工夫が多く盛り込まれ、審査しがいのあるレシピが揃いました。いつにも増してレベルの高さを実感することができました」(藤木)
また、審査員をお務めいただいた皆様から、ジビエの普及に対する積極的なご意見を伺うこともできたことも大きな収穫となりました。関係者によると、これだけの業界団体の代表が一堂に会することは例のないことだそうです。「それだけジビエには、社会課題解決としての価値や可能性、魅力があると皆さん感じていらっしゃるのでは」と藤木。コンテストの審査を通じて、また新たな可能性を感じることができることができました。
審査結果の発表および授賞式は12月22日を予定しています。ぜひご期待ください。