2022年04月04日
食生活ジャーナリストの会が主催する第6 回「食生活ジャーナリスト大賞」で、ジビエ振興の活動が認められ、弊協会代表理事の藤木が、食文化部門で受賞いたしました。協会活動とともに、藤木の本業であるオーベルジュ・エスポワールでの料理人としての仕事も評価いただいきました。食生活ジャーナリストの会のみなさまには、厚く御礼申し上げます。授賞式は3月30日に都内で開催、オンラインとリアルのハイブリッドで行われました。
食文化部門は、食文化における貢献を顕彰するもので、ジビエを日本の新たな食文化として広めようとする活動が評価されての受賞です。「野生鳥獣肉の衛生管理に関する指針(ガイドライン)」(厚労省、2014年)の策定や、「国産ジビエ認証制度」(農林水産省、2018年)の制定にも関わるなど、「政治・行政に深くコミットする料理人としても先駆的な存在」と評価いただきました。
受賞スピーチ冒頭で藤木は次のように述べています。
「まだジビエ振興は道半ばであり、賞に値するのかと大いに悩み、辞退することも考えました。しかし、ここまで至るにも、多くのみなさまのご協力とたくさんの犠牲があったのも事実であり、このような栄誉ある賞をいただくことで、少しでもそれに報いることにつながるのではと思い、賞をいただくことにしました」
また、スピーチではジビエ振興を始めたきっかけや、現状と今後の課題などもお伝えすることができました。質疑応答でも、リアル・オンライン双方からジビエ振興にまつわるさまざまなご質問、ご意見をいただき、関心の高さを感じることができました。
現在、食生活ジャーナリストの会の代表幹事を務められておられる畑中三応子氏は、2006年発行の『ジビエ料理大全』で、国産のジビエに取り組む藤木を初めて取り上げ、全国に向けて紹介してくれたジャーナリストです。ある意味で藤木が世に出るきっかけを作っていただいた恩人ともいうべき方。食生活ジャーナリストの会は、食に深い造詣を持ったジャーナリストのみなさまの集まりで、執筆活動はもとより、各方面に多大な力をお持ちです。この受賞を機に、ジビエ振興にまた新たな局面が拓かれることになりそうです。
受賞スピーチ、質疑応答で藤木は、今後ジビエ振興には法律改正や適切なジビエの扱い方の周知が必要であると述べ、関係者のみなさまの協力が必要と訴えました。
ジャーナリズム部門で受賞したのは、『シェフたちのコロナ禍 道なき道をゆく三十四人の記録』(2021年、文藝春秋社)を上梓したジャーナリストの井川直子氏。新型コロナウイルス感染症による最初の緊急事態宣言下で、料理人たちが何に悩み、何を思い、活動したかを克明に描き出したことが評価され、満場一致で受賞が決定したそうです。
特別賞を受賞した故・遠山氏は『日経レストラン』編集長、『フードリンクニュース』編集長などを務め、昭和・平成・令和の外食産業、日本の食文化を長年に渡って取材してきたジャーナリストです。その食に対する真摯な姿勢と高い見識は、多くの食の関係者からの尊敬を集めていました。2021年12月に急逝。