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食生活ジャーナリストの会の勉強会に参加

2022年05月27日

5月11日、食生活ジャーナリストの会の2022年度第1回勉強会にご招待いただき、ジビエ振興についてのディスカッションに参加しました。勉強会はリアルとオンラインのハイブリッドで開催され、食生活ジャーナリストの会会員の皆さまがオンライン、リアルで出席しました。

 食生活ジャーナリストの会は、食・農分野で活動する専門的な記者、編集者などで構成されており、先日の「食生活ジャーナリスト大賞」で藤木が受賞した際に述べたジビエの現状にさらに詳しく知りたいとの声があったことから、今回の勉強会となりました。

 勉強会の前に予め「ガイドラインが策定されるまでのジビエ」「安心安全を見える化 国産ジビエ認証」「ジビエ肉の衛生・調理・栄養について」「国産ジビエの展望」の4項目でジビエの概況を整理していただき、参加者からの質問を受け付け。当日は項目ごとに藤木が説明し質問に回答、その後議論という手順で進められ、非常に中身の濃い内容となりました。

 

さすが食生活ジャーナリストの会というべきで、かなり突っ込んだ質問が多く、藤木もいつもよりも詳しく説明したり、普段あまり話さないような内容に踏み込んだりするところも多々見られました。例えば「ジビエ振興が地域食文化に与える影響は」「なぜ“ジビエ”という名称を採ったのか」といった食文化に係る内容や、2014年に厚労省が策定したガイドライン(野生鳥獣肉の衛生管理に関する指針)や国産ジビエ認証について「ハレーションはなかったのか」「認証手数料が高いのでは」といった忌憚のない質問、「国産ジビエ認証で流通する肉はどれくらいあるのか」といった詳細な数字についての質問などがありました。

 

 最後の「国産ジビエの展望」では、藤木は今後のジビエ振興のポイントを次のように述べています。

 

「目指すところは、食文化としての日本の食卓に定着することです。今ジビエの注目度は高まっていますが、これをブームで終わらせたくはありません。ブームは一時的なもので産地が振り回され、置いていかれることになります。それはジンギスカンブームで取り残された羊生産者の例を挙げるまでもなく明らかです。今すぐ一般家庭に入ることは難しいでしょう。段階が必要だと考えており、ロッテリアのような大手外食でジビエに触れてもらい、次はスーパーのお惣菜やコンビニのホットスナックなどの中食、そして最後に食卓なのかと思います。道のりは遠いですが、スピーディに進めていくために、仕掛けや発信が必要なのかと思います」(藤木)

 

 議論は、ジビエの市場形成から日本の食文化、さらには食糧生産や食の安全保障にまで及ぶなど、幅広い内容となり、多角的にジビエを考える良い機会となりました。

 

 終了後、来場した参加者のお一人は次のように感想を述べています。

「ジビエ振興は国に任せておくだけではだめで、民間の動きも重要で必要だということがよく分かりました。また、ネットの普及でジビエが手軽に手に入るようになったものの、猟師から直接仕入れてはいけないことや、その衛生上の危険性を知らない人が多いということも強く感じました」

 

 会場では、さらにジビエへの理解を深めるために、施設の見学ツアーをしてはどうかという声も上がりました。現在のジビエ振興が始まったのも、十数年前にジャーナリストの方にジビエを取り上げていただいたことがきっかけになっています。今後さらに食生活ジャーナリストの会の皆様に、ジビエに興味を持っていただきたいと思います。