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令和6年度「地域に向けたジビエ基礎知識セミナー」全4回開催

2025年01月27日

 

令和6年度開催の「地域に向けたジビエ基礎知識セミナー」全4回の開催が終了しました。

本事業は、農林水産省「令和6年度鳥獣利活用推進支援事業(利活用推進)」の一環として実施されたもので、安心・安全なジビエを普及させるために必要な、捕獲・加工・流通・販売の各段階における正しい知識、情報をお伝えすることを目指しています。

 

今年は、

10月2日(水)・3日(木)埼玉会場
11月13日(水)・14日(木)岩手会場
12月19日(木)・20日(金)熊本会場
1月16日(木)・17日(金)和歌山会場

の4会場各2日間で開催いたしました。

本年度は、これまでの開催でいただいたご意見、ご要望に基づき、いくつか新しい取り組みを実施しました。

ひとつは、2日制にし、1日目にジビエカーを使用した解体処理講習、ジビエ処理施設の洗浄・消毒の基礎の実演を実施したこと。解体処理に係る実演は要望の高かったもので、全会場で即満員となりました。

2点目は、かねてより参加者の皆さまから「情報交換の場がほしい」「親交を深めたい」とのご要望をいただいていたことから、1日目夜に懇親会を開催したことです。セミナーの会場とは違う和やかな雰囲気で、参加者の皆さまと、ジビエの可能性や新規事業のあり方など、さまざまな内容について、ざっくばらんに語り合うことができ、協会としても大変意義深いものとなりました。

3点目が、2日目の講習会場でブースを設置し、ジビエ関連の企業展示も行ったことです。今回は設備、消毒関係のブースが中心となりましたが、これから施設を作るご予定の方、行政関係者、狩猟関係者の皆さまを中心に、有益な情報をご提示できました。

 

4回の開催でご参加いただいたのはおよそ160名。狩猟、鳥獣被害対策、自治体関係者はもとより、これから施設の設置を考えている方や、一般企業、教育関係の方々など、幅広い領域からご参加いただけたことも、今年度の特色といえるかもしれません。

1日目の実演講習は特に人気のコンテンツとなりました。解体処理講習では、国産ジビエ認証を取得している信州富士見高原ファーム(長野県)、わかさ29工房(鳥取県)で実際に解体作業に従事している方を講師にお招きし、衛生的かつ効率的な解体方法を紹介するもので、開催中は多くの質問が投げかけられるなど、参加者の皆さまの熱意が感じられました。解体講習とともに実施した「ジビエ処理施設の洗浄・消毒の基礎」では、消毒薬・洗剤などを手掛けるセッツ株式会社から講師をお招きし、実際に薬剤を使用する方法などをお示しするなどの実践的な内容で、こちらも参加者の皆さまが熱心に聞かれている様子が印象的でした。

2日目の座学は、衛生管理を中心に、施設運営の現状と課題、料理のポイントなどをお伝えするものでしたが、今年度新たに、販売・出口戦略に関して「流通サイドから見るジビエの魅力」の講義を設けたことも、特色のひとつだったと言えるでしょう。川下の企業から見るジビエの魅力と可能性、流通における課題などが語られ、施設運営のヒントとなったのではないでしょうか。

 

昨今、ジビエに関する報道も増え、認知が高まってきたとはいえ、地方によっては端緒にさえついていなこともあり、まだまだジビエの基礎を伝えていくことのニーズが高いとも感じています。引き続き、協会ではこうした情報発信、セミナー事業に努めてまいります。